サンゴが減ってきてるとか、海水温上昇、温暖化の影響?とかいろんな記事を見かけて久しくなりました。実際、サンゴって何?サンゴの役割って?というご質問をよく頂戴します。
今回のブログではサンゴの白化を通して、サンゴの役割、なくなる困るの?をテーマにしてみました。
まずはこちらをご覧ください。2022年の石垣島のサンゴの様子をご覧ください。
健康状態のよい状態から白化し、そして藻が生えて死んでいく様子のサンゴです。同じ場所、同じサンゴの変化の様子です。
2022年6月30日
健康状態のよいサンゴたちです。
テーブルサンゴにエダサンゴがすくすく成長していました。そして2022年は7月8月と台風が石垣島に来ませんでした。そうなると上がり続ける水温。サンゴの健康状態が悪くなっていきました。
2022年8月27日
サンゴの白化が始まります。
茶色のテーブルサンゴが真っ白に。エダサンゴも漂白剤につけたように真っ白になっています。
サンゴに住み着いている植物プランクトン、褐虫藻が抜け出て、サンゴの骨格の色がそのまま出ています。これが白化と言われる所以です。
9月の初めに台風が石垣島に来て、水温は下がりましたが、時すでに遅しです。
サンゴに藻が生え始めました。
白化している状態ではサンゴは生きています。ただ、藻が生えてくるとサンゴの死を意味します。
こちらは2022年10月です。
真っ白なサンゴが藻が生えて茶色になってしまいました。この経緯がサンゴの白化からサンゴの死の経過です。
ボート上からリーフを見ると白化したサンゴたちの様子
さらに数年前にも水温が上がってサンゴの白化がありました。こちらは2016年、水温が上昇して、サンゴの健康状態が悪くなっているサンゴたちです。
左の白色のサンゴが水温上昇に伴って極限状態。右の茶色が健康状態の良いサンゴです。
サンゴに住み着いている無数の褐虫藻という植物プランクトンが、水温が上昇するとサンゴから抜け出てしまいます。そうなるとサンゴの骨格がむき出しになり白色になります。
漂白剤につけたように真っ白になっています。
この状態が続けばサンゴは死滅していきます。
こちらのブログをご覧になって、サンゴの白化の写真を欲しいとサンゴの勉強をしている学生さんたちからお問合せを頂くことがあります。
ホームページからとって頂いても大丈夫です。ご自由にご利用ください。
ただ、その際に「さんご礁の海から」からのショップ名を記載頂ければ嬉しいです。
また解像度の高い写真が欲しいようであれば、お気軽にご連絡ください。
それでは、サンゴって結局何?いろんなサイトから抜粋して、箇条書きでわかりやすくまとめてみました。よろしければご覧ください。
「海の熱帯林」、「海のオアシス」と呼ばれるサンゴ。海の生き物50万種のうち、4分の1はさんご礁にすんでいると言われています。
サンゴがあることで、海水のCO2濃度調節を行っています。
サンゴに住む共生藻(褐虫藻)が光合成を行い水中環境を整えてくれています。
また人間が住むエリアに対して強い海流や高波を和らげる防波堤として、海岸線を守っています。サンゴ礁の役割 三菱商事から抜粋
人にとっては食材の宝庫。人間の経済活動を支えている重要なフィールドの一つであるということもキーワードの一つです。
サンゴが元気でいるためには、簡単にその生態を理解する必要があります。サンゴの中には無数の共生藻(褐虫藻)が住み着いています。共生藻(褐虫藻)が光合成をおこない、サンゴと海に栄養を供給しています。サンゴの健康状態をよくするには、共生藻(褐虫藻)が元気でなければなりません。
では、その共生藻(褐虫藻)がサンゴから抜け出てしまう原因は
のなど条件があると、サンゴが白い色(白化)して、徐々に死に至り始めます。
沖縄のサンゴ脅かす「白化」なぜ起きる? 色は生きるための「秘策」 沖縄タイムスから抜粋
サンゴが減っている理由は、
人間の経済活動に伴って、水中の環境が変わってきているという点は、私たち、日常生活からも考えなければなりません。
ちなみに、よく言われることは、
陸の開発が始まれば、海が汚れていく。
といったりするそうです。オニヒトデなどは、やはり畑の農薬、森林伐採に伴う影響とおっしゃる方もいます。
ではそのサンゴがなくなってしまうと、
サンゴ礁が絶滅すると、海洋資源の過半数がなくなると予想されているそうです。
「したたかな生命~進化・生存のカギを握るロバストネスとは何か~」
またさんご礁の衰退に伴う経済への影響ということで、専門的視点からの記事がありました。
「世界の全人口のほぼ 5 分の 2 が海洋から100km 以内で生活しており〔9〕、そのほとんどが開発途上国にいる。人口が増加するに従い、沿岸域のコミュニティは新鮮な魚獲資源にますます依存するようになる。サンゴ礁に関連した漁業はこのような背景と深い関わりがある」
サンゴのある環境で生活をまかなっている方がとても多いです。日本人にとってもマグロにサンマとアジ、カツオ。なじみのある魚がたくさんあります。人が生きている上でも必要なもの。それがサンゴですね。
ちなみに、最近発表されている記事では、
何ていう記事もあります。日本文化の大切なものを失ってしまう可能性があります。
さらに、将来予測では、
サンゴは海藻に切り替わる。
と言われているそうです。
つまり、サンゴはなくなって、その場所に海藻が生い茂る。ということだそうです。
政府、インターネットテレビにて、サンゴ保全に関する動画あります。
この動画では、サンゴを守るためには、
の二点について解説しています。
特に、温暖化を食い止めるということで、私たちにできることを3:00ごろから解説しています。まずは二酸化炭素の排出を抑制するために、
“海の熱帯林” サンゴ礁を守る~私たちができること~
なんでサンゴは大切なの?
●サンゴがなくなると魚が激減します
海の生物多様性を保つ生態系の少なくとも4分の1を保護しているそうです。サンゴがなくなれば、魚がいなくなる。魚がいなくなれば人間が魚を食べられなくなる。
●さらにサンゴは光合成をしています。
サンゴは木と同様に二酸化炭素を吸収して、酸素を
排出するのです。しかも、その量がなんと木の6~16倍!地球の温暖化を防ぐのに、一役も二役もかってくれているのです。
http://allabout.co.jp/gm/gc/51814/#
●地球温暖化の抑止につながっている
陸上の熱帯雨林と同じように、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素濃度をコントロールしています。
一説によると地球上の65~70%の二酸化炭素をコントロールしているとも言われています。
●サンゴには海を浄化する働きや天然の防波堤としての役割 他の生物への影響など、海中だけではなく地球にとって大変大きな役割を果たしています。
http://www.churaumishinkokai.com/knowledge/index.html
サンゴがなくなっていく原因は?
●サンゴの白化
夏場の海水温度がおよそ二八度を超えると、サンゴは体内に住んでいる植物プランクトンを体内から追い出し、白い骨格がむき出しとなります(白化)その為、光合成の栄養をもらうことができなくなって死んでしまいます。サンゴ礁は地球上のもっとも古くからある生物群集の1つです。
そのサンゴ礁がいま突然脆弱になった原因は、実は気温の変化の大きさではなく、気温の変化の「速さ」にあると考えられています。その変化に直ぐには反応できないからです
●オニヒトデの大量発生
サンゴを食べるオニヒトデ。
大量発生の原因は、陸の畑や生活排水の影響でオニヒトデに有効な栄養分が流れ出るために大量発生すると
いわれています。
●赤土の流出
沖縄では、サトウキビ、パイナップルが特産物です。
雨が降ると畑から赤土が海に流れてしまい、水質が悪くなるのが原因と言われています。
サンゴがなくなるとどうなるわけ
●大規模な種の絶滅につながる
サンゴ礁は、海の生物多様性を保つ生態系の少なくとも4分の1を保護しており、その生態系が失われたら、ドミノ式に他のほとんどの生態系が影響を受け、最終的には大規模な種の絶滅につながります
●経済的影響
美しいサンゴ群生は魚だけではなく、多くの人も呼び込まれます。日本政府の09年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」に記載されている国内のサンゴ礁が作り出す経済効果は2500億円以上。観光・レクリエーションの提供が年2399億円
▽海産物の提供が年107億円
▽波浪、浸食被害からの保護が年75億~839億円
とサンゴの経済的価値を試算しました。
●二酸化炭素濃度のコントロール
前述の通り、地球温暖化に影響する。
●サンゴの保全っていったりするけど大変なの?
もしも地球から人類が突然消え去ったら
・「消滅」直後……絶滅指定されていた動植物がその数を回復し始める
・48時間以内……軽度の公害が無くなる
・20年以内……地方都市などの道路が消失する
・50年から100年……都市近郊の道路や建物が崩壊する
・100年から200年……橋が壊れ落ちる
・500年以内……さんご礁が再生しはじめる
人類が突然に消えてサンゴが復活するのは500年後。
ここまで読むとサンゴは人類地球環境にとても大切なものと確信してしまいます。
その他、参考サイト
追記
最近、ニュースを見ていると
なんだか、これからの地球はどうなっていくんだろう?と考えてしまう記事を良く見かけます。
地球規模での環境変化を取り上げているニュースとその一部抜粋です。
氷河の縮小、海面上昇の約3分の1の原因に 米研究
科学者らの試算では、世界中の氷河がすべて融解すると、海面は約60センチ上昇する。一方で、グリーンランドの氷床全体が消失した場合の海面上昇幅は約6メートル、南極大陸の氷がすべて失われた場合の上昇幅は約60メートルとされる。(c)AFP
大気中のCO2量が歴史的水準を突破、専門家らが行動を呼びかけ
大気中の二酸化炭素(CO2)の量が人類史上初めて400ppmを超えたことが、米監視当局の10日の発表で明らかになった。専門家らは、温室効果ガス削減のための行動を新たに呼びかけている。
毎年の移動の際、沿岸地域の湿地帯に飛来する渡り鳥たち数百万羽が沿岸部の干拓や埋め立てと海面上昇によって餌場を奪われ、死滅する危機に瀕しているとの警告が、6日の英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に掲載された。
ノルウェーのベルゲン(Bergen)で開催中の国際会議に出席した各国の科学者は6日、二酸化炭素(CO2)の排出が原因で北極海(Arctic Ocean)の酸性化が急速に進んでおり、北極海の壊れやすい生態系に悲惨な結果をもたらす恐れがあると警鐘を鳴らした。
環境汚染対策なければピンクイルカ失う恐れ、保護団体が警鐘 香港
香港(Hong Kong)でイルカなどの保護活動を行う香港イルカ保育学会(Hong Kong Dolphin Conservation Society)は6日、環境汚染などに対する緊急措置を取らなければ、ピンクイルカとも呼ばれ、絶滅の危険性が指摘されるシナウスイロイルカを失う恐れがあると述べた。
世界遺産のサンゴ礁、中国船座礁で4000平方メートル損壊
国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産に登録されているフィリピン沖のトゥバタハ岩礁自然公園(Tubbataha Reef Natural Park)内で前月起きた中国漁船の座礁事故で、公園当局は4日、4000平方メートル近くに及ぶ広範囲でサンゴ礁の損壊が確認されたと発表した。
CO2の排出量増、魚の中枢神経系を侵す恐れ オーストラリア研究
二酸化炭素(CO2)の排出量が増えると海の魚たちの脳と中枢神経系が侵され、魚の生存が脅かされる危険性があるとする論文が、16日の英科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ(Nature Climate Change)」に発表された。今世紀末までに予想される海水中のCO2濃度は、魚の聴覚と嗅覚、および捕食者から逃げる能力を妨げる恐れがあるという。
アマゾン熱帯雨林がCO2排出源に?米研究チーム
森林破壊によって20世紀後半、アマゾン盆地全体で見込めたはずのCO2純排出量は失われ、それどころか(アマゾン自身が)純発生源になりつつある」
魚資源を回復させれば年4兆円近い経済効果に、国連
UNEPの報告書「Green Economy in a Blue World」によると、乱獲や適切な沿岸域管理の欠如によって、世界の魚資源はすでに32%も減少した。
温暖化による酷暑で小麦が老化、2度上昇で収穫2割減
気温2度上昇で収穫量2割減
温室効果に関するこれまでの実験では、季節外れの高温、特に作物の生育期の終盤に異常高温が起きると、作物が老化することが分かっている。植物が耐えられる範囲を超える高温が、光合成を行う細胞器官を破壊してしまうのだ。
ではでは
さんご礁の海からは、少人数だからこそできる、自由度の高いツアーを開催しています。
旅行、観光のアクティビティにシュノーケルはいかがでしょうか?ぜひ、ご参加ください!
この感動を伝えたい!アクティビティにシュノーケルはいかがでしょうか?
今の世界は経済優先で環境を無視しすぎです。
本当は環境を守ることこそ経済の発展に大きく貢献するのにね…。
他にも利権やら何やらで環境が破壊されていて悲しいですね。
今学校でサンゴ礁について学んでいます。はあと
さんご礁の海から 笹川で!ブログをご覧頂きありがとうございます!
サンゴを取り巻く環境は、決してよくなっておりません!
きれいな海が残り続けますように!
勉強、頑張ってください!
すっごいサンゴってたいせつなんだね!
そうなんです!生物多様性、環境を守る上で必要なものの一つです!