石垣島、そしてシュノーケルに興味のある方は、もうニュース等でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
2022年は7月8月と石垣島には台風が来ない状況が続いておりました!
それはそれで、旅行者の方には、
とってもよいこと!
と思うかもしれません。でも台風が全く来ない夏は水中世界、水中環境にとってはとっても困ってしまうものです。
夏は上がり続ける水温。その水温を下げて調整してくれるのは台風なんです。つまり台風が来なければ、
水温は上がるところまで上がり続けるしかりません!
そうなると水中世界はどうなるかというと、
サンゴが真っ白。白化してしまいます!
真っ白なサンゴ!とってもきれい!と思ってしまうかもしれません。でもこれは健康状態が悪くなっている状態なんです。本来であれば色とりどりのサンゴ。それが真っ白になってしまう理由。それは、
サンゴの骨格が真っ白だからです。
そしてサンゴが色とりどり、カラフルな理由は、サンゴに住み着いている植物プランクトン、褐虫藻の色です。その数はサンゴの表面積1平方センチメートルに300万ともいわれているそうです。
その褐虫藻が水温が上がると、サンゴから抜け出て行ってしまう。そして真っ白な骨格がむき出しとなって、
白化となります。
サンゴは自分でプランクトンを捕食して食べることができますが、ほとんどの栄養は褐虫藻の光合成から栄養をもらっています。
つまり、白化している状況というのは、栄養分が極めて少ない状況。空腹が続いている状態です。そして白化の時点ではサンゴは生きています。
その後、水温が高い状態が続くと
藻が生えてきます。
そのタイミングで、
完全な死を意味します。
こちら、真っ白に白化した後、茶色の藻が生えてきています。
ここまでくると、もう手遅れだと思います。
そして下の写真、左上の白化部分はまだ生きています。その周り、茶色の部分は藻が生えています。
これが白化、そして藻が生えて死のプロセスです。
それでは、石垣島の今年のサンゴの状況をご覧ください。
同じ場所から同じサンゴを撮影しているところです。
2022年6月 白化前の様子。
2022年8月 白化後の様子
茶色のテーブルサンゴが四つ、真っ白に変化しています。
こちら、大きな岩の塊にみえるハマサンゴ。2022年8月です。
奥が白化した状態。手前が正常な色(茶色)のサンゴです。
同じ場所でも水深が変わるとここまで状況が変わるのですね。
さらにこちら砂地にポツンとたたずむテーブルサンゴ
2022年7月の白化前
2022年8月の白化後
水面から幅広く眺めた状況
岩盤の上のサンゴが白くなっています。
そして、イソギンチャクも白化してしまうんです。
このイソギンチャクは、6,7年前の水温上昇からずっと白いままなんですよね。不思議です♪
ただ、その中で白化ことなくきれいな色をしているサンゴもありますね。
色が残っているサンゴ。
テーブルサンゴも色が抜けていない個体があります。
数年前の白化の時には全部、真っ白だったのですが、水温上昇に耐えうるサンゴが出てきているのでしょうか?
そんなことを調べてみようと思ったら、こんなブログを見つけました!
参考ブログご覧ください。
ちなみに一言でサンゴと言ってもとっても多くの種類のサンゴがあります。
今回ブログでご紹介したサンゴは、水温上昇に強くない種類のサンゴです。
水温変化に強い種類のサンゴは健在しております!
そして今、水中、サンゴにとっては待望の台風が石垣島に迫ってきております。
今回の台風、荒波で水中はかき回されて、水温が下がると思います。
そうなれば、きっと、
サンゴは色を取り戻してくれる!
と思います。
人間とっては迷惑な台風。でも水中世界の環境を保つためには必要なものの一つであるんですよね。
白化したサンゴ。その復活の様子、後日、ブログでアップできればと思います!
復活してくることを祈りましょう!